ハートの形した花
「歳も今年で25歳だ。みんなより10年以上飯を食っている。いわば、目上の人だ。しかも、みんなは俺に勉強を教えてもらう立場にある。わかるか?そう言う人に対する態度は、高柳。キミのような態度でいいと思うか?」
高柳が黙る。
確かに、先生の言うことはもっともだ。
ただ、そんな言い方しなくてもいい気がするけどな・・・
「言い直せ」
高柳は、再び立って言った。
「昨日は宿題、出ていませんが?」
「ああ、答えよう。キミたちに春休みの宿題を出したのを覚えているな?」
ああ、春休みの宿題のことか。
確かに、それは出ていた。
「それを出してもらう。後ろの席の人が集めてくるように。そして、忘れた人は自己申告するように」
早々からピリピリとしたムードだ。
こんなのでこの一年やっていけるのだろうか。
特に、前列の二人。