ハートの形した花
「すみません。手を挙げて発表をします」
「その通りだ。きちんと右手をピシッっと挙げること。手を挙げずに発表したり、たとえ手を挙げていても、ピシッと挙がっていなかったらその人は当てないようにする」
この人、軍隊にでもいたのだろうか。
「そして、これにもう一つ、ルールをつける。答えはわからない、合っているか不安だ。そういう人は、グーを挙げろ。その時は当てることはしない」
何だそのルールは。
当てないならグーで挙げる意味があるのだろうか。
クラスのみんなもざわついている。
バンッ!
教卓が響き、「それでは、授業を始める」の一言でみんなが一斉にノートを開いた。