ハートの形した花
協定
ベランダ。
普段あまり行くことがない。
母さんが洗濯物を干すときだけで、それ以外は使わない。
基本的に。
しかし、最近、俺はこの場所にいることが多い。
隣の家の九と会話をするためだ。
頑張ればゲームの通信ケーブルが届く距離にお互いの家のベランダがある。
そこでよくいろいろな話や遊びやするのが最近はまっている。
「ねえ、神様っていると思う?」
爪をいじりながら九が聞いてくる。
神様か。
いるのはいるはずだ。
火のない所に煙は立たぬ。って言うし。
「神様?まあ、いるんやないかね?」
「じゃあさ、神様って誰だと思う?」
俺は、ふと手に持っているアイスを見た。
「さあね。モナカアイス作った人やない?」
「はははっ、違いないねー」