ハートの形した花
俺は咄嗟にそう叫んでいた。
白石の腕が緩む。
「な、なんじゃと?」
やばい。
完全に怒らせてしまっただろうか。
「京介の言っとることは、ほんとのことだぜ?」
柱の陰から住岡と大島が出てきた。
助かった。
「何?ほ、ほんまか?」
「ほんと。まあ、振られたんやけどね、京介は」
大島が白石の腕を掴んで言う。
「やけん。離してやれ」
大島に促され、白石は俺の胸ぐらを離した。
開放されたのだ。