極彩色のクオーレ
焔は掻き消えてしまう前のその一瞬、一際眩しく煌めくものだ。
生物の命もそれと同じ、最後の束の間だけ周囲を驚かせるほどに恢復して、その灯火を終わらせる。
水すら喉を通らず寝たきりの者が、急に恢復して身の回りの整理を始めたりする。
瀕死の状態だった病人が、突如元気になって途中のままで放り出していた仕事に専念することもある。
それが命の最期の光輝だ。
ゴーレムだけれど人間に近いから、ニコにもその最期が与えられているのだろうか。
ニコの目から強い光を感じる。
生気溢れる者のそれと全く同じだ。
神仏からの贈り物とでも言いたいのか。
一体、何のためにそんなものを与えるのだろうか。
これまでを生きてきた者たちが、この世に未練を残すことのないようになのか。
(……おれには分からないな。
弱った命を楽に往生させないなんて、ある意味生き地獄じゃないか)
考えても仕方がない。
軽く首を左右に振り、シャロアはニコに目を向けた。