極彩色のクオーレ





「あはは、みんな分かってないなあ、面白い話こそ、最後を知らないほうが楽しいでしょ?


今ここでオチを話しちゃうのは簡単だけど、でも、そうしたら何も想像が膨らまない。


ああ、どんな結末になるんだろう、登場人物たちはどうなっちゃうんだろうって自分で好き勝手に想像するのだって、とっても楽しいよ。


ぼくのこの人形劇、みんなにはそうやって楽しんでほしいなあ」



道化師は革張りの箱のふたをなでる。


子どもたちは互いの顔を見合わせ、そのうちの一人が確かめた。



「ちゃんと、お話の終わり教えてくれる?」


「もちろんだよ~、いつになるかは分からないけど。


答え合わせしないままってほど、ぼくは意地悪じゃないから安心してね」



カン、カン、カン。



この丘から離れた作業場から、仕事の終了の刻限を告げる鐘の音が響いてくる。


ほとんどの子どもたちは家へと帰ったが、何人かの子どもはまだそこに残っていた。


「あ~あ、また眠れない夜を過ごすことになったらどうしてくれんだよ、ビジュ」


「眠れなくなるくらい考えてくれるのは、ぼくにとっては嬉しいことだよ~」


「でもさ、ビジュの話ってバッドエンドばっかりじゃん。


だから今回のこの修理屋ゴーレムの話だって、どうせ『めでたしめでたし』じゃない終わり方だろ?」




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