極彩色のクオーレ
ひそひそポーズで話していた三人が声を揃え、振り向きながらビジュに詰め寄る。
その中で背高の男の子が、お面をかぶったままのビジュを指差す。
誰もふざけてお面を外そうとしないのは、そんなことをしたら二度と人形劇をしてあげないと、上演前にいつもビジュに言われているからである。
こんなに面白い人形劇を見られなくなってしまっては困る。
子どもたちは素直に彼との約束を守っていて、その代わりにビジュは彼らの遠慮ない話し方を気にせずにいた。
「それこそ嘘だろ!俺もこの間来たときに同じこと聞いたら、『ぼくの両親は医者だよ』って答えたじゃん!」
「俺は『父さんが狩人で、母さんが薬師』って聞いた」
「僕が聞いたときは、『幼いころに死んじゃったから、詳しいことは知らない』って答えられたよ!
本気にして悲しくなっちゃったよ、どうしてくれるんだよ!」
「ごめんごめん、でも、これは本当に本当だよ~。
ちなみにぼくの友達のお母さんは傀儡子でもある人形職人で、お父さんは語り師。ぼくはその人たちに人形劇と話術を教わって、こうして旅をしているんだ」
「嘘くせー」
誰かが言った。
ほかの子どもたちも騙されないぞと、誰もビジュの話を信じようとしない。
毎回このような受け答えをしているから当然だ。
少しだけ肥っている男の子が、どうでもいいといった様子で胡坐をかく。