極彩色のクオーレ
両手で頭を押さえながらフロウが振り返ると、そこには握り拳をつくっている彼らの先生が立っていた。
フロウが顔を引きつらせる。
「せ、セドナ先生」
「宝石の前で何をふざけてるんだ、フロウ!
オニキスの言う通りだ、このケースを倒したらどうすんだよ!
ここにある宝石、お前じゃ弁償できないだろが、リスクをよく考えろ!
修行中は真面目に取り組め、分かったな」
「す、すみません……」
フロウは腰を折ってセドナに頭を下げる。
よくふざけるフロウだが、自分に非があると指摘されたら素直に認める性根だ。
だからセドナもそれ以上はきびしく言わず、きびしくしていた表情を和らげてフロウの肩を叩いた。
「お前がオニキスと仲良しなのはよく分かっているから、おどかすなら危なくないところで思う存分やりな」
「はい」
「ええっ、せ、先生~」