極彩色のクオーレ
セドナは適当に謝って作業に移った。
もちろんそこまで悪いとは全く思っていない。
自慢か何かよく分からないヒーラーの話を聞き流していると、外に出ていたフロウが接客スペースの方から作業場に戻ってきた。
「セドナ先生」
「お?」
「先生にお客様が来てますよ」
「俺に?」
「はい」
オニキスへの指示をヒーラーに任せ、セドナは接客スペースに向かう。
暖簾をくぐると、そこにいた客が片手を挙げた。
「よお、セドナ」
「なんだ、ハックか」
「なんだ、は無いだろ、なんだは」
セドナの言い草にハックは苦笑いを浮かべる。
が、さほど引きずらずに用件を述べた。
足元に置いてあった台車から箱を持ち上げ、セドナに差し出す。
「これ、注文していた歯車だ」
「悪いな、わざわざ届けてもらっちまって」
「いいよいいよ、この近くに用があったからそのついでだ」
セドナは箱をカウンターに置いて中身を確認した。