極彩色のクオーレ
「やめてくれ、お礼を言われるほどのことでもねえよ。
あいつは、ちょっと言い方悪ぃけど、おれの技術革新の過程で生まれた副産物でしかない。
25番目を大事にすることから、できねえと分かっているくせにできるようになろうともせず、目を背けて逃げた卑怯者だ」
「じ、自分のことをそんな風に言わないでよ。
あなたはニコを大事にしたいって、かけらも思わなかったわけじゃないんでしょ?
ラリマーと会ったとき、ルースの状況も分かっていて、そこにニコがいることも分かっていて、それでもシャロアはここに来て助けてくれたじゃない。
本当に卑怯者だったら来ないはずだよ」
ティファニーが必死でフォローすると、シャロアはその様子を見てくすりと笑った。
おかしくてたまらない様子でくつくつと身体を揺らしている。
突然の反応にティファニーは瞬きを繰り返した。
「……急にどうしたの?」
「ああ、悪いな、いきなり笑っちまって。
25番目があんたの家族になって欲しいって申し出に応じた気持ちが分かるような気がしてよ」
「え?」
「あいつ、誰とでも主従関係を結ぶようなバカじゃなかったからな。
あんたのそういうところを認めたから、家族になろうと思ったんだろうよ。
ま、今となっては確かめようもないけど」