極彩色のクオーレ
* * *
『おおっー!すげぇ!きめぇ!
まじでこんな生え方すんのなー、嘘じゃなかったのか』
『これが、マスターが探していた資材ですか』
『感動薄すぎるにも程があるだろ、お前。
まぁ覚えてないから無理ないか。
でもお前の羅針盤は、針にならなくともこういう感覚を少しずつ覚えていくようにしてあるからな。
心配することねぇよ』
『別に心配はしていませんが』
『あ、そう?ならいいけどよ。
いやー、見つけるまでに半年もかかるとはな。
まぁ採取可能なのは今だし、仕方ないけど』
『マスター』
『あん?』
『もしかして、ぼくを直したのも色々教えてくれたのも、体のいい暇つぶしだったんですか?』
『うーん、どうだろな、おれもよく分かんねえや。
それより早く採ろう。
目の前にあるってのに、どんなお預けだよ、コレ』
『難しいところに生えていますからね。
一本間違えれば死ぬか、壊れます』
『淡々と言うんじゃねえよ、25番目。
どうすっかなぁ……なんかいい方法思いつかねえか?』
『ぼくに聞きますか、それを』
『ああ、それもそうか……。
そこが造れていないの、己の未熟さを見せつけられている気分だ』