極彩色のクオーレ
薄桃色の目隠し
ルースの朝は、今日も清々しい。
ベッドから降りて、少年は窓を開け放した。
ひんやりとした空気を胸いっぱいにすいこみ、朝を迎える。
「今日もいい天気ですねー」
少年は窓枠にもたれて、晴れ渡った空を見上げる。
すると、下からザクザクと砂利を踏みしめる音が聞こえた。
視線を落とすと、宿の女将が洗濯籠を片手に歩いている。
彼女が歩いてきた方向には、真っ白なシーツやタオルを吊るした物干し竿があった。
この宿に泊まり始めて3週間近くが経つ。
洗濯の量を見るだけで、宿泊客がどのくらいいるのか分かるようになってきた。
今日はそこまで多くはないようだ。
(昨日みたいに食堂は混まなそうですね)
少年はベッドに座って工具を広げ、簡単な点検を行う。
スパナとドライバーが一本ずつ先端が欠けているのを見つけて直し、引き受けていた修理物の確認を済ませから、下の階へ向かった。