極彩色のクオーレ
「私、ずっとここに住んでいるって言ったよね。
ずっと、独りでいたの。
あ、本当に独りぼっちじゃなかった、セドナもよく遊びに来てくれるし、依頼を持ってきてくれる人もいた。
だからこの家に独りで、お母さんもお父さんもいないで過ごすことに慣れたと思っていた。
でもね、修理屋くんが昨夜ここに泊まってくれたとき、何ていうか……この辺りが、すごくあったかくなったの」
ティファニーが両手を胸に当てた。
そのまま、きゅっと握りこむ。
「杖とか家の中の壊れたものを修理してくれてる間、私は他のことをやっていたし目隠ししているから作業は見られなかったんだけど。
でも、『修理屋くんがここにいるんだ』って思うだけで、ほっとしたんだ。
どうしてなのかは分からないけど、今までずっと空いていた穴が埋まったような……そんな気がしたの」
時折慌てたり、声が小さくなったりしながらも、ティファニーは懸命に自分の感情を少年に伝えようとしていた。
なので少年も相槌を打ちながら、細布に隠されたティファニーの双眸に視点を置き、相槌を打つ。
ちゃんと聞いていますから、もっと伝えてください。
少年の気持ちは態度に表れている。
左胸に生まれた温もりに気づかないくらい、彼は真剣にティファニーの話に耳を傾けた。