極彩色のクオーレ
「えっと……、うーん……、あー悩むなぁ。
……あ、『ニコ』!
『ニコ』って名前は?」
5分近く悩んでようやく、ティファニーは閃いたように言った。
少年は首をかしげ反復する。
「『ニコ』、ですか」
「そう、……どうかな?」
「なんか、女の子っぽい名前じゃねえか?」
すっかり蚊帳の外状態になっていたセドナが、こちらへ来ながら意見を言う。
表情はだいぶ和らいでいる。
「ええー……そうかな?
けっこういい名前だと思ったんだけど」
「由来とかはあるのか?」
「うん。修理屋くんを造り出したマスターんは、『25番目』って呼んでいたんでしょ?
だから、2と5でニコって」
「なんか安直だな、そんな悩まねえと出ない名前だったの?」
「し、仕方ないでしょ。
私、名前つけるの得意じゃないんだから。
それにまだ理由はあってね」
ティファニーが言葉を途切らせる。
やや目隠しで隠された頬骨あたりを真っ赤にして、慌てて首と手を振った。
「あ、ううん、やっぱり何でもない」
「何でもないのかよ!だったら途中で言うの止めんなよ。
何を言いかけたか気になるじゃん」
「わ、忘れて。……修理屋くんはどう?
女の子みたいで、嫌?」