極彩色のクオーレ
『いやー、もう半年経つのか、早いなー。
お前がここまで成長するわけだ』
『やっぱりマスター、ちょっとおかしくありませんか。
素直にぼくを褒めるなんて、かなり気持ち悪いです』
『さっきからおれのこと気持ち悪いって言いすぎだろ……。
おれだって、たまには弟子でもあるお前を褒めることだってあるさ。
ゴーレムだから外見の変化はないけど、でも、中身がでかくなった気がする。
お前ももうすっかり、一人前の修理屋だ』
『え……』
『そんだけ人間に近づけて、生業にできる技術が身についていれば、一人で生きていけるな。
どこへ行っても、自分の力でやっていけるはずだ』
『あの、ます』
『職人になってからずっと旅をしてきたけど、同じ場所にこんなに長く留まることはなかったな。
この森の景色も、だいぶ見飽きちまった。
そろそろここを出て、また気ままな一人旅にでも戻ろうか』
『マスター』
『うん?』