極彩色のクオーレ
『……ぼくは、あなたに改造され助けられたゴーレムですよ。
あなたはぼくの、修理屋としてのぼくの造主。
だからいつまでも、どこまでも、あなたの隣にいます。
マスター、ぼくにとってあなたは』
『おっと、そこまでだ25番目、それ以上は言うんじゃない。
おれは他人やゴーレムに、そこまで尽くしてもらえるほどの価値を持ち合わせていない人間だ。
はっきり言って、人並み以上のものは造れるけど、救い様のないクズ野郎だ』
『そ、そんなこと……』
『お前が知らないだけだよ。
おれはこの通り、見かけ倒しの最低な人間。
一緒にいたって何のメリットもないぞ』
『……関係、ありません、そんなの。
あなたが人形職人で、ぼくはあなたに造られたゴーレムで、理由はそれだけで十分じゃないですか。
それにぼくはマスターのことを』
『だーから、それ以上はストップっつったろうが。
その”心”はおれなんかにじゃなくて、もっとお前のことを大事にしてくれる奴のためにとっとけよ。
おれみたいなろくでなしには、もったいなさすぎる感情だ』
『マスター、それって』
『ふあ~あ、もうこんな時間か。
無理して慣れないことをするのはよくないな、もう眠くなってきた。
もう寝ようぜ、おやすみ、25番目』
『マスター、まだ話は……って、もういびきをかいている。
まったく……身勝手な人ですね』