極彩色のクオーレ
おとぎ話「泣き虫のおともだち」
職人の街に、気弱な少年がおりました。
へなちょこで臆病で意気地無し、おまけにすぐ泣くので、少年はいじめられていました。
特に年の近い仕掛け職人には、彼のつくった罠によくはめられて笑われていました。
それでも友達が欲しかった少年。
彼は北に広がる森の一角で、美しく光る友達をつくりました。
言葉の通じないその友達と、少年は毎日共に過ごしました。
ある日、少年の前から友達がいなくなってしまいました。
いつも一緒に行く場所も彼の家も探しましたが、どこにもいません。
『仕掛け職人のせいだ』
少年はすぐ、意地悪なあの職人を思いました。
けれど、またいじめられるのが怖くて聞けません。
でも寂しいのはもっと嫌なので、少年は友達を探しに行きました。
見つからず、おまけに帰り道も分からなくなった少年のもとに、不気味な怪物が現れ、少年をぱくりと食べてしまいました。
そこでようやく、彼は友達と再会します。
『良かったあ、これからはずっと一緒にいようね』
少年が泣くことは二度とありませんでした。
めでたしめでたし