極彩色のクオーレ
北の森の招かれざる客
少年が『ニコ』となり、新たな主人を持ってから4ヶ月ほどが経過し、雪が舞う季節になった。
こんなに長い間同じ人と一緒にいるのは初めてだ。
ニコはすっかり、ティファニーの『家族』となって生活している。
最初にあったぎこちなさやほんの少しの気まずさ(お互いにではなくほとんどティファニーだったが)が嘘のようだ。
それくらい、2人の距離は縮まった。
ティファニーは買い出しや届け物で街に行くとき以外は、いつも家にいた。
家事を済ませ、少し庭をいじり、あとは読書(点字だ)をしたり頼まれた刺繍をつくったりして過ごしている。
訪ねてくる客をもてなすこともあるが、それも滅多にないことであった。
点字の読み方や刺繍、簡単な家事をティファニーに教わりながら、ニコは模倣で物をつくる練習をした。
いくら修理の腕が良くても、損傷の度合いが大きければ1から作り直す必要が出てくる。
それもできるようになろうと、ニコは毎日何かをつくっていた。
「だいぶ造るの早くなってきたね」
見えないながらも、ティファニーはニコの作業を褒めてくれた。
そのおかげもあってか、ニコの上達はとても早かった。