極彩色のクオーレ
カーボたちのせいか、酒のにおいがする。
後から出てきた少年が横に並んだ。
「いやあ、あんなちびっ子が、一丁前に女の子へプレゼントを用意するとは。
あいつも隅に置けねえな」
「彼のことご存知だったんですか」
「まあな。3、4年前くらいだったかな。
俺が初めてルースに来た時から、この宿にサンドをもらいに来るのを見てるよ」
「そんなに前から……」
少年の呟きに、青年が腕組みして何度も頷いた。
「職人への道は厳しいってことだ。
子どもであっても、長く修行してる奴にも、容赦ないんだな。
でもまあ、そんだけ立派な飾りを作れるんだ。
あいつの見習い卒業も近いんじゃないのか?」
大部屋に差し掛かる。
カーボの部屋は隣に、少年の部屋はこのさらに奥の突き当たりにあった。
「じゃあ、おやすみなさい」
「おう。……あ、なぁ坊主」
「はい?」
呼び止められて、少年は青年を振り返った。
青年がドアノブに手を掛けながら言う。