極彩色のクオーレ
* * *
『……あ、起きたか。
もっと早く起きてくれよなー、びっくりした。
良かったぜ、やり方間違えてたらどうしようって、柄にもなく不安になっちまった』
『何か食うか?さっきミジグサ捕まえたんだ。
見た目はまぁアレなんだけど、意外と味はいいんだぜ』
『しっかし驚いたなー、珍しい資材があるって聞いて来たら、まさかお前が倒れているとは思わなかった。
お前も見つけられたのがおれで良かったな。
おれじゃなかったら、絶対に今頃死んでたぞ』
『……なんか喋ってみろよ、舌なしじゃねえだろ?
そういえば、お前の名前って何なの?
……名無しっぽいな、その反応は』
『よし、それならお前を拾ったおれが、新しい名前をつけてやる。
おれも『お前』呼びだとややこしくなるからな』
『……な、まえ』
『あ、ほら喋れるんじゃんか。
そんなに名前が欲しかったのかよ、かわいいやつだな。
そうだな、お前の名前は……』