極彩色のクオーレ
相変わらず言葉は厳しいが、その声音がわずかに優しくなっているのにケセラは気づいた。
ちくちくと刺さる針のような痛みがおさまる。
「ギベオン、それじゃあ……」
ギベオンが自分を見上げるケセラから逃れるように立ち上がった。
ぶっきらぼうな態度で、彼の横を歩く。
「もう夕暮れだ、早くキマイレナを降ろすぞ。
加工職人のとこに持っていけば、いい値段で交換してくれるはずだ。
半年くらい行ってないボクの洞窟がどんなになってるのかも気になるけど、それはまた今度でいいや。
ボクは『友達』っていうのに対して、お前みたいに理想像とかそんなのは持ってねえ。
足手まといになったり面倒なことになったりしたら、すぐに絶交だからな!」
ぱあっ、とケセラの表情が明るくなった。
ひねくれた言われ方をされても、もう胸はちっとも痛くない。
代わりに嬉しさがこみあげてくる。