極彩色のクオーレ
その後、ケセラはギベオンに冷たく当たられながらも、彼女と一緒に行動するようになった。
新しい仕掛けをつくるたびにケセラは自分で原案を出すようになり、それは彼自身の鍵職人の修行にも変化を起こした。
ケセラがギベオンと仲良くしている噂が流れてからは、ケセラをいじめるやんちゃな男の子はいなくなった。
考える人間が一人より二人だからなのか、仕掛ける罠はどんどん精度が上がっていく。
そのうち子どもだけでなく大人まで引っかかるようになった。
子持ちの大人たちは迷惑そうにしていたが、狩人たちなど、罠を必要とする者たちの間では評判になる。
評判は街だけでなく外にも広がり、ギベオンの元に依頼が絶えなくなった。
その中でケセラは鍵職人ではなく仕掛け職人になりたいと感じるようになっていくが。
ギベオンは自分が女性であることを周囲に打ち明けるべきか否か考えるようになるが。
それはまだまだ先の話である。