極彩色のクオーレ
「らっ……ら……」
「あ?なんだよー、久々の再会だろ?
なんか言ってくれよー」
青年が不満そうにむくれ、さらに一歩踏み出す。
するとヒーラーは形容し難い言葉を叫び、回れ右をしてきた道を戻った。
「あっ、なんで逃げるんだよ。
おいちょっと、お前この荷車どうすんだよ、忘れてんぞー!」
青年の声を無視してヒーラーは走り、裏口から駆け込み、勢いよくドアを閉める。
ルーペから顔を上げ、セドナは兄弟子に尋ねた。
ちなみにニコは無反応で、修理作業を続けている。
「先輩、どうしたんすか?」
「っせせ、せん……、まっ、こにっ……」
「は?」
意味不明である。
奥の部屋から出てきたルーアンが丸眼鏡を押し上げ、息を切らしているヒーラーを見た。
「どうした、そんなに慌てて」
「せ先生、たたただいだいまもももどりりまりまました」
「お帰りなさい、何をそんなに慌てているんだ」
一つ深呼吸をして、ヒーラーの顔色が少しだけ戻った。
ドアから背中を離し、両手を無意味に泳がせる。
「いい、今、そこのダストボックスにゴミを捨ててたら……とんでもない人に出くわしまして」
「とんでもない人、て、まさか……」