極彩色のクオーレ
クラック石の首飾り
セドナに髪留めを届けるため、少年はまだ空気の澄んでいる間に宿を出た。
途中まで、カーボたちと一緒に向かう。
やがて三叉路に差し掛かり、そこで少年は荷車から降りた。
カーボが身を乗り出す。
「じゃあ、ここでお別れだな、坊主」
他の狩人たちも顔を出した。
少年に握手を求める者もいる。
「また壊れるといけないんで、無理な走行は控えてくださいね。
あと、荷物の積みすぎもだめですよ」
「分かってる、分かってる。
それより、いいのか?本当にもらっちまって。
あれは坊主の取り分だぞ」
あれ、とは少年が仕留めた3頭のブルムのことだ。
旅費には困っていないと、宿を出る際に少年が譲ったのである。
「いいですよ、気にしないでください。
一人旅でお金をたくさん持っていると、厄介ごとの種にしかなりませんから」