極彩色のクオーレ
セドナの顔色が同じように青くなる。
ルーアンは眉間にしわを寄せた。
――バタンッ!!
「おうふっ!」
ヒーラーがセドナに同意を示しかけたとき、ドアが蹴破られた。
外開きのはずのドアが、強制的に内側に開く。
それはすぐ前に立つヒーラーの背中に直撃し、彼は腰をくの字に曲げて呻いた。
ドアの蝶番が外れ、派手な音をたてて床に倒れる。
突然のことに、さすがのニコも手を止めて裏口に顔を向けた。
「おいこらぁ、根暗オカマ野郎。
なーんでオレが話しかけただけで逃げ出すんだよ」
ヒーラーを追いかけてきた、赤毛の青年が作業場に入ってくる。
「げえっ」とセドナが露骨に顔をしかめた。
青年がヒーラーの腰を膝で蹴る。
「お前荷車ダストボックスんところに置いて行っただろ、オレがここまで運んでやったぞ、感謝しろ」
「あ、ありがとうゴザイマス」
「あとお前が逃げたせいで、あの通りにいたやつらにもれなくすっげー変な目で見られたぞ。
帰ってきて早々、この辺りでオレの変な噂がたったりでもしたらどうしてくれんだよ。
オレの周りからかわいい女の子、いなくなっちまうだろ」
「えっと、それは……ワタシのせいなの?」
「当り前だろうが。礼と詫びにサンド三食分ぐらいおごれ」
「そんな」