極彩色のクオーレ
ラリマーはニコに向き直り、合掌して頭を下げた。
「ニコ、悪かった」
「いえぼくは別に……。
今のようにできるかは分かりませんけど、まだ他に修理の依頼があるので、よかったら見に来ますか?」
「え、マジで?売れっ子なんだな、お前」
ラリマーがちゃかしつつも嬉しそうにニコの肩を叩く。
知らねえぞ、とぼそりと呟いてセドナが首飾りの製作作業に戻った。
「おっし。そうと決まったら、さっそくその依頼人のとこに行こうぜ。
研磨機の修理、もう終わってるんだろ。
ここだと何かとうるさい人が多いからよ」
「おいこら待ちやがれ。
まったくお前は19にもなってまだそんなちゃらちゃらして……
諸国を渡って少しは大人になったかと思えばちっとも変わってねえ」
ニコの肩に腕をからめ外へ向かおうとしたラリマーの肩を、ルーアンがむんずと捕まえる。
孫に顔を引きつらせる余裕も与えず、きれいに背負い投げをきめた。
「少しぐらいは反省せんか、バカ孫ー!」