極彩色のクオーレ
「ニコ、どうだ?」
「ここからでは何とも言えませんね。
とりあえず最上階にある、時計塔の心臓部分から異常を探していきます。
ギベオンたちは、時計塔の掃除をお願いします。
埃が多いと作業が面倒になるんで」
「分かった、また何か必要なものとかあったら言ってくれよ。
おいケセラ、あとラリマーだっけ、いつまでデシンで遊んでんだよ。
時計塔の掃除するぞ、はやく」
雄の茶色毛コルルが珍しいせいだろう、ラリマーが噛みつかれながらもデシンを撫でまわしている。
ギベオンはラリマーの脛を強く蹴り、ケセラの首根っこを押さえて掃除道具を取りに向かった。
痛そうにうずくまるラリマーを無視して、ニコも階段をのぼりはじめる。
しばらく進んだところで、階下からラリマーが叫んだ。
「ニコ!?お前、さっき修理作業見せてくれるって言ったじゃねえか!」
「見たかったらついてくればいいじゃないですか」
「脛がめちゃくちゃ痛いんだよ。
連れて行ってくれないか?」
「それは君の自業自得でしょ。
自分の足でのぼってきてください」