極彩色のクオーレ
「ガハハハ、確かにな。
浪費癖も金目目当ての盗賊も厄介だもんな。
ありがたく頂くとするよ」
他の狩人たちも、口々に礼を言った。
少年の姿が見えなくなるまで、若者たちは手を振り続けた。
「しっかし、面白い奴だったなあ」
「面白い?すごい奴の間違いじゃねえの?」
「あれを凄腕って言うんだろうな。
あんなに早くて、しかも完璧に直せる修理屋、見たことねえもん」
「あっ!!」
突然、一人の青年が声をあげた。
昨夜、少年と共に食堂の片づけをしていた彼である。
すぐ傍にいた若者は大げさにのけぞり、別の青年はうるさそうに耳を塞いでいた。
「うお、びっくりした。どうしたんだよ」
「忘れてた……」
「なにをっすか?」
年下の狩人に、青年はしまったという表情を見せて言った。
「名前だよ!俺、あいつの名前聞くの、すっかり忘れてた!!」