極彩色のクオーレ
ティファニーは1階の入口で、同じような黒い筒を持って待っていた。
「ティファニー」
「ティファニー!」
ニコが駆け寄るのと、ドアが勢いよく開いてラリマーが飛び出してくるのはほぼ同時だった。
ラリマーは音に驚いているティファニーの両手をとる。
「ひさっしぶりだな、ティファニー!
しばはく見ないうちにすっかり美人になったな。
目隠ししててもよーく分かるぞ」
「その声……もしかして、ラリマーなの?」
「お、嬉し。4年ぶりでも覚えててくれたんだ」
相手が旧友だと分かり、ティファニーが嬉しそうに笑った。
「うわあ、びっくり!
まさかこんなところでラリマーに会えるとは思わなかったわ。
元気にしてた?」
「そりゃあもうご覧の通り。あ、お前には見えないか。
いや〜、身体のことを心配してもらえるなんて、オレって愛されて」
ゴツッ!
おどけるラリマーの頭にひょうたんが降ってくる。
さらにその上にギベオンと、彼女に首根っこを掴まれたケセラが着地した。
ラリマーはカエルがつぶれたような声を出し、地面に顔をつける。
「え?えっと……」
「ティファニー、大丈夫ですか?」
「あ、うん……何があったの?」
差し出されたニコの手を取り、ティファニーが不安そうに首をかしげる。
ギベオンはラリマーの上に立つと、かかとで背中をぐりぐり押した。
「ったく、このやかましい変態男が……
ティファニー大丈夫?
こいつに変なこととかされてない?」