極彩色のクオーレ
「ギベオン?うん、大丈夫だけど……
今、すごい痛そうな音がしていたけど、どうしたの?」
「気にしなくていいよ、煩悩のかたまりみたいなやつを潰しただけだから。
ていうか、おいニコ!
お前ちゃんとティファニー守れよ!お前男なんだろ、一応!?」
ギベオンに睨まれたが、言われている意味が分からずニコは首をかしげた。
人選ミスだったとギベオンはため息をついた。
ラリマーの上から飛びおり、罠を元通りに戻す。
「ニコ、お仕事お疲れ様。
時計塔はうまく直せたの?」
「はい、針が動くようになりましたし、音も鳴ります」
「ぶはぁっ!」
背中が軽くなり、地面に半分埋まっていたラリマーが起き上がる。
小さく悲鳴をあげてケセラが転がり落ちた。
「ぅおい、ギベオン!いきなり何してくれんだよ、バカ!」
ラリマーが掴まえようと腕を伸ばすが、ギベオンはひらりと身をかわす。
「かわいい女の子に手を出そうとするやつへの制裁だ、自業自得だよ。
なあ、ケセラ。お前だってこんなやつ、潰されて当然だと思うよな」
「うええっ?え、ええっと……
で、でも、痛くするのはダメだよ、ギベオン」