極彩色のクオーレ





「ギベオン?うん、大丈夫だけど……


今、すごい痛そうな音がしていたけど、どうしたの?」


「気にしなくていいよ、煩悩のかたまりみたいなやつを潰しただけだから。


ていうか、おいニコ!


お前ちゃんとティファニー守れよ!お前男なんだろ、一応!?」



ギベオンに睨まれたが、言われている意味が分からずニコは首をかしげた。


人選ミスだったとギベオンはため息をついた。


ラリマーの上から飛びおり、罠を元通りに戻す。



「ニコ、お仕事お疲れ様。


時計塔はうまく直せたの?」


「はい、針が動くようになりましたし、音も鳴ります」


「ぶはぁっ!」



背中が軽くなり、地面に半分埋まっていたラリマーが起き上がる。


小さく悲鳴をあげてケセラが転がり落ちた。



「ぅおい、ギベオン!いきなり何してくれんだよ、バカ!」



ラリマーが掴まえようと腕を伸ばすが、ギベオンはひらりと身をかわす。



「かわいい女の子に手を出そうとするやつへの制裁だ、自業自得だよ。


なあ、ケセラ。お前だってこんなやつ、潰されて当然だと思うよな」


「うええっ?え、ええっと……


で、でも、痛くするのはダメだよ、ギベオン」




< 396 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop