極彩色のクオーレ
興奮混じりに聞き返すラリマーの背中を、セドナが引っ張ってニコから剥がした。
膝裏を蹴られ、ラリマーが思い切り顔をしかめる。
「いっで!お、まえ、何だよ。
さっきから暴力的すぎるぞ、あのくそじじいからロクなこと教わってねえな」
「落ち着けっての、バカラリマー。
お前がニコの顔を引っ張っているから、何言っているのかさっぱりなんだろ?」
「え?あ、ああ、そうだったな。
そんで、誰が造主で、何でティファニーがお前の主人になっているんだ?」
「ティファニーがぼくの主人になったのは」
「に、ニコ……」
ニコの手を掴み、ティファニーがふるふると首を振る。
あまり知られたくないのだろう。
それを見たラリマーは納得したのか、それ以上聞こうとはしなかった。
ニコは造主のことを答える。
「ぼくを造ったのは、自身をマスターと呼ばせる人形職人です。
なので本名は分かりません」
「マスター?」
ラリマーがニコの言葉を繰り返し、顎に指を当てて記憶をめぐらす。
何かを思い出したか、パチンと指を鳴らした。