極彩色のクオーレ
ギャーピーと、セドナとラリマーの口ゲンカが始まった。
ケンカまではいかない、お互いに憎まれ口を叩きあっている。
本物の兄弟みたいだ。
緊迫感はかけらもなく、むしろ和やかにさえ感じられる。
ティファニーは苦笑しながらも彼らのやりとりを聞いていたが、近づいてくるもう一つの足音に振り返った。
「お帰りなさい、ニコ」
「ただいま、ティファニー」
主に手を差し出されたので軽く握り、居場所を教える。
その腕から肩を伝って、ティファニーはニコの頭をわしゃわしゃ撫でた。
髪がぼさぼさになっていくが、それを気にするほどニコは愚かではなかった。
「ニコも平気?どこも壊れていないかしら?」
「見ての通り、ぴんぴんしていますよ。
あ、すみません、ティファニーには見えませんでしたね」
「うふふ、その声だけで、元気だって分かるわ。
……リビアたち、ちゃんと元通りになれて良かったね」