極彩色のクオーレ
「キャウンッ!」
木槌が顔面にめり込み、獣が卒倒する。
今の衝撃に耐えきれなかった柄が根元で折れ、頭部が獣の腹部に沈んだ。
血が溢れ出し、みるみるうちに地面がどす黒く染まっていく。
「うーむ、やっぱりこの木では槌には不向きですね、柔らかい。
でも、重みに耐える力はまずまずってところでしょうか」
ニコは柄を放り捨て、木槌の頭部を分解する。
ガララッ
中から詰め込まれた大小さまざまな石がこぼれ、小さな山をつくった。
「さて、どうしましょうかね……」
石をもとあった場所に戻して、ニコは絶命した獣を見る。
体長は5、6メートルほどだろうか、なかなかの大物である。
「こうするつもりはありませんでしたが、仕方ないですね。
資材として有効活用させていただきましょう」
ニコは即席で荷車をつくり、そこに獣と丸太を載せて、家へと向かった。