極彩色のクオーレ
「あの藍色の毛に、犬と猫の中間みたいなくせにでっかい体格、ウォルフィンじゃねえか!
ルースの近くで見るのは初めてだな、近くに生息地あったっけ?
なんだよニコー、森に行くんならオレも連れてってくれよー」
「ラリマーは今まで寝てたじゃないですか」
「そうそう、こんな時間までぐーすか寝てたお前が悪い」
呆れた様子でセドナが同調する。
図星を刺されたラリマーは言葉を詰まらせ、驚いた様子でセドナを振り返った。
「うっ、ぐっ、んぬっ……って、なんで朝からセドナが居るんだよ。
仕事に行かなくていいのか?」
「今日は非番。あと、今昼過ぎな」
ジト目で返してから、セドナは床掃除を再開した。
ちなみに暑がりな彼は、もうタンクトップだけの格好になっていた。
真夏はこれからだというのに、乗り切れるのだろうか。
ラリマーはしばらくむくれていたが、玄関に靴を取りに行って庭に出る。
ウォルフィンをじっくりと楽しそうに眺めた。
「おー、毛並みも悪くないし、筋肉もけっこうついている、歯の密度も高い。
こりゃあ、良質な資材になるな。
ニコ、このウォルフィンはどうするんだ?」