極彩色のクオーレ
しかし、孤独は刺繍屋を嫌いになってはくれませんでした。
孤独は誰もが分かる姿を借りて現れ、周囲の人々を巻き込みながら愛しい彼女に近づきます。
そうして2人の生活に、まるで硝子細工にそうするように簡単にヒビを入れました。
そのヒビのせいで彼女は孤独を強く感じるようになりました。
彼女の知らないところで、孤独は大喜びで活動しました。
修理屋も、かつて自分を苦しめてきた暗い『心』にまた取り囲まれます。
それを振り払い、彼は大切な家族を守るために動こうと決めました。
以前、自分がそうされたときのように。
2人と関わり、修理屋に『心』を教えた仲間も協力してくれます。
そうなっても孤独は諦めず、刺繍屋をさらおうとしました。
気づいた修理屋は彼女を取り返し街から逃げようとしますが、孤独に感化された人々に邪魔をされます。
追い詰められ、過去の自分に戻りそうになった彼のもとに駆け付けた仲間の力もあり、修理屋はどうにか孤独を倒し、人々は目を覚ましました。
しかし孤独は最期に、修理屋を自分の世界へ引き込むために猛毒を打ち込みました。
孤独から愛する主人を守り通した代償なのでしょう。
刺繍屋たちは必死で考えますが、彼を助ける方法は見つかりません。
それなのに涙を流すのは刺繍屋たちの方で、毒に侵された修理屋は泣きませんでした。
ちっとも悲しくなかったのです。
それは不思議なことではありません。
なぜなら彼は