極彩色のクオーレ





キマイレナの不気味な顔が網からはみ出し、傍にいた若い猟師がヒイッと悲鳴をあげる。


慌てて猟銃を持っている男たちが構えたが、暴れているせいで狙いが定まらない。


おまけに尾が網から完全に出ている。


この硬くてしなやかに動く盾に邪魔をされるのが、目に見えていた。



「お、おい、どうすんだよコレ!?」


「とりあえず誰かあの尻尾押さえろ!」


「ムチャ言うんじゃねえ!」


「ちくしょう、ようやくこの辺りの獣を食い荒らしてる犯人を捕まえられたと思ったのに!」



一人が悔しげに歯を食いしばったとき、彼らの背後に近づく足音が聞こえた。


複数の人間のものである。


振り返った中年の狩猟家がランプを向けて、目を丸くした。


他の猟師たちもキマイレナから視線を外し、先頭にいる人物に驚く。



「あ、あんたは……」


「こちらの罠にも、うまく掛かったようだね。


被害が拡大しなくて良かったよ」



やって来たその青年は小さく笑うと、後ろにいた部下に止まるよう手で示した。


猟師たちを追い越して、キマイレナの前に立つ。




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