極彩色のクオーレ
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季節が変わり、徐々に寒さを覚えるようになってきた。
上に何かを羽織らなければ、肌寒さを感じる。
ワンピースに翠色のカーディガンを羽織って、ティファニーは買い物に出かけていた。
ニコが修理代のかわりに、手芸屋に頼んで作らせてもらったらしい。
そのおかげか、よく着ていた茜色のカーディガンよりも優しい温かさを感じた。
届け物を済ませて、青果屋へ寄る。
「こんにちは、女将さん」
「あら、いらっしゃい。
まあ、素敵なカーディガンじゃないの」
ティファニーに気づいた女将が、野菜の籠を降ろして駆け寄った。
今日も頬はきれいな紅色をしていた。
寒さが厳しくなってきたら、鼻の頭が真っ赤になっていそうである。
「ありがとうございます。
コレ、ニコが造ってくれたんですよ」
カーディガンを褒められ、ティファニーは肩を少しつまんで恥ずかしげに笑んだ。
ニコの名前を聞いた女将が、羨ましそうな口調で裾をつついた。
「そうなの、素敵ねぇ~。
お店に売っていそうなくらいの出来よ。
良かったわね」
「はい」