極彩色のクオーレ
リビアはフリルのたくさんついたピンク色のワンピースの裾をつまみ、ターンをした。
部屋に華やかな空気が生まれたような錯覚が起きる。
「承知しタ」
「待て待て待て待て、承知するんじゃねえ、レムリアン!」
頷いてゴミ袋を持ったレムリアンを、セドナは慌てて止めた。
廃材に見えたとしてもこれは大事な材料だ、捨てられたら仕事ができない。
セドナは代わりに過半数を隣の部屋に移そうと提案し、レムリアンとニコに手伝わせた。
ふう、と息をついたリビアは玄関の壁にもたれ、ポニーテールに結いあげた髪の先をいじる。
タンザとハックはそれを見て、顔を見合わせた。
「けっこうえげつないこと言っていたけど、リビアって女の子だよな」
「ああ、いるだけで華やかになるもんな。
いつも男ばかりのむさくるしい職場にいるし、たまにはこういうのもいいよなー」
にへらっと笑いながら、ハックがケセラとギベオンに向いて同意を求める。
ケセラは困ったように笑い、ギベオンは不機嫌そうにふてくされていた。