極彩色のクオーレ
次いでラリマーに口を開いたのは、タンザとハックだった。
2人は貴重な休日を、ラリマーの突然の呼び出しで潰しているのである。
ちなみにセドナも偶然なことに非番であった。
「本当に何のためになんだよ。
俺もタンザも久しぶりの休日だって喜んでたのに」
「この呼び出しがなかったら、もっと有意義に使えたんだぞ」
セドナは腕組みをし、彼らの主張に大きく頷いて同意を示した。
「まったくだ。
3ヶ月前にふらっといなくなったと思ったら何の前触れもなくいきなり昨日帰ってきて。
そんで今日休みで気持ちよく寝ていた俺をたたき起こして『部屋貸せ』って。
これで心底くだらねえ話題だったら、ティファニーの家出禁にするぞ」
「出禁って、お前に何の権限が」
「はああっ!?
ちょっとラリマー、あんた工房じゃなくてティファニーの家に居候してんの!?
夜中にいかがわしいこととかしてんじゃないでしょうね?」
ラリマーを遮ったリビアが、焦りと驚きと怒りの混ざった表情で幼馴染を睨みつけた。
してねえ、とラリマーは否定したが、彼女の冷ややかな目つきは変わらない。
その隣でケセラが
「いかがわしいって?」
と首を傾げ、
「お前の知らなくていいことだよ」
とギベオンが何とも言えない表情で突っ込んだ。