メビウス
「……そろそろいくぞ。できるだけ即死目指して狙うから」



アキラ君は最後まで私を気遣ってくれる。




「……好きだよ、ユミ」


その言葉が合図となり、私の体に猛烈な痛みが走る。


胸に包丁が刺さったのはわかった。




ありがとう。私も好きだよ、アキラ君……



伝えたかったその言葉は、意識と共に消え入った。

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