私の意地悪な旦那様

しばらくして、大きな音を立てて家の電話が鳴る。


誰からだろう、と画面を見れば『功希 携帯』と見たくない名前が浮かんでいた。



鳴り止むのをひたすら待つ。

しばらくすればその音も止まり、ほっと安堵の息を吐いた。




その日は異常に長く感じた日だった。

気分転換に買い物に行ってみたりしたものの、何を買おうとかそういう気にもなれずに、結局見て終わるだけ。

頼りの潤も友達もこの時間は仕事で忙しいだろう。


とぼとぼと日が暮れかかる頃に帰れば、玄関から見える家の中は電気がついているように見えた。




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