私の意地悪な旦那様
泥棒………!?
こんなに早く……というより、功希が帰ってくるはずがない。
携帯は電源を落としてリビングに置いてあるから、頼れるような物はない。
恐る恐る鍵を回して扉を開けてみれば、いきなり息苦しい何かを被された。
「ふっ、ぁ、誰か……っ」
目の前は真っ暗で息苦しく、力の限り暴れる。
けれど、その匂いを嗅いだ私は今まで暴れていたのが嘘のようにピタリと動きを止めた。
「……よかったっ」
そして聞こえてきた声に、私に被さっているのが功希だったということを確信したのだった。