私の意地悪な旦那様
「いいよ、無理に取り繕おうとしないで。功希の気持ちは分かったから。」
……エイプリルフールだからって調子に乗ってあんな嘘つくんじゃなかった。
「………離婚、しよっか」
嘘が現実になっちゃったよ。
自分から言葉に出したのに、自分で傷ついて、自分で落ち込む。
「……っざけんな」
そして功希の言葉を待っていれば、ぽつりと何かを言ったような声がかすかに聞こえ、気付けば私の唇は荒々しく奪われていたのだった。
「………俺言ったよね、嘘でも許さないって。
ましてや理由が俺の浮気?俺が浮気とかするわけないじゃん。それとも何?信じてくれてないわけ?」
「っ、じゃあなんでさっき言葉濁したの!?」
いきなりのキスで乱れた呼吸を整えながら反射的に聞き返せば、バツが悪そうに目線を反らしながら、功希は小さい声で呟くように言った。