私の意地悪な旦那様


「何言ってるか分かんないよ」


「だ、だからバカにしてるってどういうこと?」



「は?」

まだ分かんないの?と相当呆れたように言う功希。


功希の考えてることなんて、難しくて私に分かるわけないじゃない。バカだし。
 


そう目で訴えていれば、少しまごついた功希ははぁ………と、今日何度目かのため息をついた。


「いい?1度しか言わないからね」




俺は莉乃を見せられないんじゃなくて、見せたくないだけだから。


「えっ」


「1回しか言わないから」


そう言ってそっぽを向いてしまった功希の耳は、赤みを帯びている。


「…何笑ってるの、バカ」

そんな様子を見て笑っていれば、振り向いた功希にまた悪態をつかれた。



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