私の意地悪な旦那様
「織部先輩っ!」
「………また武井?いい加減目障りなんだけど」
最初に背を向けられてからというもの、織部先輩の姿を見かけたら必ず駆け寄って莉乃の話題を出そうとする。
「いや、あの、それで聞きたいことって言うのが…」
そのたびに冷たい視線と容赦ない言葉を浴びせられ続ける毎日。
「1年近く前の、壁越えてきた女の子覚えてますか!?」
そんな日々ともさよならすべく、今日こそビビらず最後まで言い切ることに成功した。
「……さぁ」
けど、織部先輩がまともに答えてくれるはずがなかった………。