私の意地悪な旦那様
»莉乃
「というわけで、俺じゃあこれ以上聞けないや、ごめん」
「ううん、むしろ全部頼り切っちゃってごめんね」
潤に頼んでから数日、肩をおとして私の元へ来た潤は力なさげに笑う。
そんな姿を見て、自分は何してるんだろうか。
そんなモヤモヤが心の中を渦巻いた。
「ごめんね、潤。私が自分で頑張んなきゃいけなかったのに、全部潤に頼り切ってた」
「莉乃……」
「先輩が知らないって言わなかったってことは、私のこと覚えててくれてるかもだし。それが分かっただけでも嬉しかった!だから、これからはちゃんと、自分で頑張る」
「…俺も、出来る限り協力するから頑張ろうな」
にこり、とお互い笑いあう。
そしてこのときから、私と潤との友情は固いものへと変化していったのだった。