私の意地悪な旦那様

»莉乃


「というわけで、俺じゃあこれ以上聞けないや、ごめん」


「ううん、むしろ全部頼り切っちゃってごめんね」


潤に頼んでから数日、肩をおとして私の元へ来た潤は力なさげに笑う。

そんな姿を見て、自分は何してるんだろうか。
そんなモヤモヤが心の中を渦巻いた。


「ごめんね、潤。私が自分で頑張んなきゃいけなかったのに、全部潤に頼り切ってた」

「莉乃……」

「先輩が知らないって言わなかったってことは、私のこと覚えててくれてるかもだし。それが分かっただけでも嬉しかった!だから、これからはちゃんと、自分で頑張る」

「…俺も、出来る限り協力するから頑張ろうな」


にこり、とお互い笑いあう。

そしてこのときから、私と潤との友情は固いものへと変化していったのだった。

< 50 / 330 >

この作品をシェア

pagetop