私の意地悪な旦那様

次の日も、そのまた次の日も頑張って早起きする。

苦手なはずの早起きも、先輩と登校するため……と思えばそんなに苦でもないことに笑ってしまった。


「おはようございます!」

改札から出てきた先輩を笑顔で迎える。

「おはよう」

そっけなくも帰ってきた一言に、今日も私は朝から幸せいっぱいだった。


「そういえば、先輩お昼どこで食べてるんですか?」


ふとこの前潤から聞いた先輩情報を思い出す。

昼休みに潤が部活のことで織部先輩の所へ行く度、先輩の姿は絶対教室にはなかったらしい。


「屋上だけど」

「1人で、ですか…?」

否定しない先輩に、いつも1人でご飯を食べていることを確信する。


「……私も一緒にご飯食べたいなぁ」

そして、ついぽつりと漏れた声に、慌てて口を手で押さえた。

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