私の意地悪な旦那様

「今日は寝坊しちゃって…朝、一緒に行きたかったです………」

「そう」

「なのでさっき売店行ったんですけど、急いで行ったはずなのにすっごく混んでて、私これだけしか買えませんでしたー!売店なめてました」


いつも通りのテンポで話す私と先輩。

私が喋っては先輩が簡潔に返す。


でも、今日は少し勝手が違っていた。


「……で、またあの壁よじ登ったの?」

「えっ!?あ、今日は先生いなかったので、堂々と校門から入りました!」

「そう」


話を振られて驚きながらも応える。
そんな私の心臓は、今までにないほどばくばくと音を立てていた。

< 60 / 330 >

この作品をシェア

pagetop