私の意地悪な旦那様
「今日は寝坊しちゃって…朝、一緒に行きたかったです………」
「そう」
「なのでさっき売店行ったんですけど、急いで行ったはずなのにすっごく混んでて、私これだけしか買えませんでしたー!売店なめてました」
いつも通りのテンポで話す私と先輩。
私が喋っては先輩が簡潔に返す。
でも、今日は少し勝手が違っていた。
「……で、またあの壁よじ登ったの?」
「えっ!?あ、今日は先生いなかったので、堂々と校門から入りました!」
「そう」
話を振られて驚きながらも応える。
そんな私の心臓は、今までにないほどばくばくと音を立てていた。