私の意地悪な旦那様
*溢れる優しさ
柔軟剤をふんだんに使って洗い、丁寧にアイロンをかけたシャツ。
そして、おかずの入った黒いフォルムのお弁当を持って家を出る。
朝早起きして作ったお弁当は昨日のお礼のつもりで作ってみた。
もし先輩がお昼ご飯を持ってきていたら、それは自分で食べるつもりだ。
どきどきしながらいつもの電車に乗る。
そして、改札を抜ければ先輩の後ろ姿が目に入った。
先輩だ……!
平常心を保って、いつもみたいに挨拶しようと心がける。
そして近付こうとしたとき、隣を歩く見慣れない人影に気付いてしまった。