私の意地悪な旦那様
先輩の顔は後ろからじゃよく分からないけれど、隣の女の人の横顔は綺麗なぐらいに笑顔だ。
その光景を見たら、なんだか先輩に近づけなくなってしまって…結局朝は先輩が見えなくなるまで駅で時間を潰して学校へと向かった。
そして、先輩に会いたくないなぁ。だなんて思う日に限って、ひたすら先輩を目撃する。
トイレに行こうと廊下に出たり、ふと授業中に窓の外を見たりすると、何故か先輩が視界に映るのだ。
そのたびに隠れるように曲がり角に逃げ込んだり、カーテンを閉めたり……と、午前中の私は何か悪いことをしてしまった人のようにひたすら逃げ続けていた。